全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長(中央)ら患者団体の呼びかけで、野党議員が議連の発足を表明した=2025年3月3日午後4時54分、東京都内、吉備彩日撮影

 医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」について、制度のあり方を考える議員連盟が早ければ週内にも発足する見通しとなった。がんや難病の患者団体が3日、記者会見して発足を呼びかけた。すでに野党議員が呼びかけに応じている。

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 名称は「高額療養費制度と社会保障を考える会(仮称)」。全国がん患者団体連合会(全がん連)などの呼びかけに応じた立憲民主党の中島克仁・衆院議員は同日、会見で「国民皆保険の『最後のセーフティーネット』である高額療養費制度をいかに守っていくかを議論したい」と述べた。与党議員にも参加を呼びかけた上で、患者ら当事者の意見を聞きながら高額療養費制度と国民皆保険制度の維持について議論し、政府に働きかけるという。

 高額療養費制度をめぐっては、政府が昨年末、自己負担限度額を今年夏から2027年夏までに3段階で引き上げる案をまとめたが、制度を日常的に利用する患者団体などのほか、野党の反発を受けて、見直し内容を修正。長期療養者向けにさらに限度額が引き下げられる「多数回該当」の限度額を据え置くこととしたほか、2月28日の衆院予算委員会では、石破茂首相が、第1段階の今夏は実施する一方、26年と27年はいったん凍結し、今秋までに再検討する考えを表明していた。

 これに対し、立憲民主党は…

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