会見する福岡資麿厚生労働相=2025年1月10日、東京都千代田区、足立菜摘撮影

 医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直しをめぐり、がん患者らから反発の声が広がっていることを受け、福岡資麿厚生労働相は7日、「当事者の方々の不安の声に真摯(しんし)に向き合うことが重要」と述べ、10日からの週にも直接面会する考えを明らかにした。政府は見直し案の修正に着手しており、当事者の意見を反映させる考えだ。

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 福岡氏は7日の閣議後会見で、「当事者の方からの声と、セーフティーネット機能を堅持するという課題の両方を満たす解を見いだしたい」とも話した。

 7日はがん患者の団体などと厚労省の幹部が面会。団体側によると、見直しの凍結や、閣議決定で可能な制度改正のプロセスの変更などを求めた。さらに同省と調整した上で、福岡氏と面会するという。

 高額療養費制度は、大きな手術などで医療費の支払いが膨らんだ際、所得などに応じた限度額に抑える仕組み。政府は所得区分を細分化するなどして2027年夏にかけて3段階での引き上げを想定していた。政府内では、長期の治療を受ける人への激変緩和措置が検討されている。

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