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中国黒竜江省ハルビン市で開かれた合同結婚式。43組の新郎新婦が全国各地から参加した=2025年1月、新華社。デザイン・郭溢

 中国東北部の遼寧省で運輸関係の仕事に就いている関さん(35)は、結婚目前だった彼女と別れた苦い経験がある。7年ほど前のことだ。

 原因は「彩礼」。中国で結婚の際に男性側が女性側に払う結納金をさす。

 関さんは当時、彼女の家庭から20万元(約411万円)を要求された。法外だと感じた。「あまりに欲が深い。頭の中がお金のことでいっぱいだ」。女性側との関係はこじれ、破談に至った。遼寧省の最低賃金は昨年10月時点でも月額2100元(約4万3千円)だ。

【連載】新語・流行語から探る中国

受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。

 彩礼の習慣は古くからあったが、中国が経済成長を遂げるなかで高騰。中国メディアによると、1995~2007年は全国平均で1万~2万元(約20万5千円~41万円)ほどだった結納金が、08年以降に上昇して約14万元(約288万円)になったという研究者の分析もある。経済の変調もあいまって、高額な彩礼を用立てるのが困難な人もおり、結婚を阻む要因として問題になってきた。

高額の彩礼のやりとりには、中国独特の背景があります。記事後半で解説します。

 関さんは彩礼を全否定するつ…

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