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学生服メーカー「瀧本」の工場=同社提供

 制服を採寸して納品する販売店が苦境に直面している。原材料費の高騰に加え、少子化と制服の多様化でコストがかさみ、従来の収益モデルが成り立たなくなっているためだ。

 物価高の波は制服にも押し寄せている。総務省の統計によると、今年2月時点の女性用の学校制服の値段(1着あたり)は4万209円で、前年より5999円(17%)も高くなった。男性用も前年より3549円(9%)高い3万9533円だった。

 ただ、これでも原材料費の高騰分を販売価格に十分転嫁できていないようだ。ある販売店の担当者は「制服には『教材』という側面もある。気安く値上げはできないのが実情」とこぼす。

 販売店の経営を苦しめている要因はこれだけではない。

 文部科学省の統計では、中学、高校などに通う生徒数は02年~22年、約795万人から約647万人と約2割減少。一方、学校数は1万7695校から1万6299校と約1割減にとどまり、制服の「少ロット・多様化」が進んでいる。

 さらにLGBTQ(性的少数者)に配慮したデザインや、暑さ対策など生活様式を考慮した機能への需要も高まっている。21年に230件だった制服の変更件数は23年に747件と急増。24年も700件を超えている。

多様化に対応できず撤退する制服販売店も

 制服の多様化は、制服販売店…

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