大阪市の企業「Rehabilitation3.0(リハビリテーションサンテンゼロ)」は、高齢者施設に入所しているお年寄りが転倒する危険度を、睡眠中に測定したデータなどをもとにAI(人工知能)を使って3段階で示すシステムをつくった。介護する職員の夜勤中の負担を減らそうと開発に取り組んだ。
特別養護老人ホームなどで夜間、寝ていた入所者がベッドから起き上がり、その際に転倒する恐れがある。このため、夜勤をする介護職員の負担は大きい。経験が少なく、まだ慣れない若い介護職員の場合、不安やプレッシャーで疲れてしまい、離職につながることもあるという。
Rehabilitation3.0の社長、増田浩和さん(43)は作業療法士として病院などで勤務してきた。現場で見聞きしてきた経験から、「お年寄りが転倒する危険度がわかれば、働く職員の負担を減らせるのでは」と考えた。
増田さんによると、判定に主に使うのは、寝ているときの心拍数と呼吸数。ベッドに敷いたマットセンサーなどを使い、測定する。寝返りをしたときなどの変化から、様々なことが読み取れるという。前日との違いや年齢など様々な要素を加味し、転倒の危険度を「危険」「注意」「配慮」の3段階で表示する――という仕組みだ。
こうして「可視化」された判…