鳥取市が復元整備を進めている国史跡・鳥取城跡で、城の正面玄関にあたる大手門「中ノ御門(なかのごもん)」の復元工事が完了した。伝統技術を駆使し、材料の加工方法や仕上がり具合など細部に至るまで江戸時代の手法にこだわり再現された。
中ノ御門は1621年の創建で、表門と渡櫓門(わたりやぐらもん)の二つで構成。1720年の大火で焼失し、その後再建されたが、明治維新後の1875年に取り壊された。2021年3月に復元が終わった表門に続き、今年3月に渡櫓門の復元が完了し、中ノ御門全体が完成した。
渡櫓門は、石垣の間に築かれた門の上に櫓がある構造で、兵が石垣や櫓を行き来して敵を迎え撃つ機能を備えた防御施設でもあった。木造2階建てで、高さ9.2メートル、幅10.6メートル。櫓を支える木材には樹齢130年超のケヤキ材を使用。手斧(ちょうな)と呼ばれるおのの使用や、金具の表面をつちで打ちつけて凸凹を施す技術など、創建当時の加工や仕上げの手法で再現された。
渡櫓門は一連の復元工事では…