初戦を前に握手する鳴門渦潮の森恭仁監督(左)と早稲田実の和泉実監督=2024年8月6日午前8時0分、阪神甲子園球場、吉田博行撮影

 第106回全国高校野球選手権大会に出場した鳴門渦潮は、大会5日目の1回戦第1試合(11日午前8時開始予定)で早稲田実(西東京)と対戦する。鳴門渦潮の森恭仁監督と、早稲田実の和泉実監督に相手チームの印象や、初戦への意気込みなどを聞いた。

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 ――夏の甲子園出場は、鳴門渦潮は7年ぶり8回目、早稲田実は9年ぶり30回目です。相手校の印象は

 森監督 全国優勝も経験された有名な学校と甲子園で試合ができるのはうれしいし、感激している。

 和泉監督 早実は(荒木大輔さんを擁した1982年夏の)甲子園で徳島代表のチーム(池田)に粉砕された。その記憶も残っていて、四国のチームは強いという認識は持っていた。

 ――警戒する相手選手は

 森 打者では、宇野主将を中心に1番から9番までスイングが非常に速く、すべての打者を警戒しないといけない。中村投手は左腕で速いボールを投げるので、厳しい戦いになると思う。

 和泉 エースで4番の岡田選手がチームの中心であることは間違いない。前後を打つ選手にチャンスメイクされると、岡田選手に回ってしまう。投手としては球が速くて切れもあり、制球面も自ら崩れる印象がない。チームとしては接戦が得意そうで、ノーシードから勝ち上がった勢いもある。

 ――自校でカギを握る選手は

 森 エースの岡田を中心に、徳島大会でも日替わりでヒーローが活躍してくれたのが、うちの特徴。甲子園でも新たにヒーローが出てきてくれればと思うが、やっぱり投打のキーマンは岡田。岡田がロースコアの戦いに持ち込んでくれないと、追いかけられない。

 和泉 中村を中心にした投手陣が、どれだけ相手を流れに乗せるような雰囲気にせず、大事な場面でしっかり投げられるか。投手全員が束になって、最少失点に抑えられるかが非常に大きい。

 ――理想の試合展開は

 森 徳島大会でも3点以内に抑えて、相手より1点でも多く点を取ろうと言ってきたが、甲子園でもそれができれば。早稲田実は決勝でシーソーゲームを勝ち抜き、すごい得点力を発揮していたので、むちゃかなとは思いますけど、理想としては3点以内に抑えたい。

 和泉 試合前に「こうあって欲しい」と思っても、試合では僕の組み立てとは全然違う展開になっていくのがこのチーム。ただ、そこに対して慌てない生徒の精神力が試合ごとにできてきた。最後まで1点でも多く取る粘り強さを持たせないといけないなと思う。

 ――初戦に向けた意気込みを

 森 第1試合で朝の早い時間だが、全校を挙げて応援に来てくれるので、校歌を大合唱できるのが理想。(鳴門第一と鳴門工の2012年の統合で)鳴門渦潮になって甲子園での勝利がないので、初勝利をめざして一生懸命粘り強く戦いたい。

 和泉 東京からたくさんの人が応援に来てくれるようだ。監督として、皆さんと校歌を歌えるような試合にしないといけない。(西田有里、吉田博行)

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