稽古場の即興劇からつくりあげる女性だけの公演「青木さん家の奥さんⅡ」が、東京と大阪で上演される。主宰の鴨鈴女(かもすずめ)が4年に1回、出演者を集めるため、ユニット名は「鴨リンピック」。参加する役者たちは、どんな意義を見いだすか。
鴨の所属する南河内万歳一座の座長、内藤裕敬の戯曲「青木さん家の奥さん」は、酒屋の倉庫で従業員がアルバイトをしごく男性だけの芝居だ。
その女性版を鴨が希望し、1994年に上演した。ここから即興劇で芝居を組み立てる方式になり、2008年の公演から鴨リンピックと称している。
現在は「こんな自殺の名所に」などわずかな台詞(せりふ)を手がかりに、毎回新たに役者と演出の荒谷清水でつくる。青木さん家の奥さんは出てこない。暗い話になりがちなので、最近は違う方向性を模索している。
「未経験をやってみたかった」と鴨は振り返る。台本がないゆえに初演は内容が固まらず、最後の場面ができたのは本番30分前だった。
逆説的だが、「大した役者ち…