鹿児島市の錦江湾で、今夏も小学生たちが4.2キロの遠泳に挑む。水泳にかける子どもたちや大人の情熱はどこよりも熱い。
3千メートルを足をつかずに90分で泳ぎ切る――。本番の遠泳に参加するには、こうした厳しい条件をクリアしないといけない。
参加をめざす小学4~6年生たちは、5月からプールで練習を重ねる。タイム検定に落ちる子もたくさんいる。
大正時代に始まった遠泳で、名称は「錦江湾横断遠泳」。桜島から対岸までを平泳ぎで約2時間かけ泳ぐ。薩摩藩独特の郷中(ごじゅう)教育では、武芸や角力(すもう)とともに水練を奨励したといい、これが下地になったとみられる。
清水小の4年生、大須賀春樹さんはこの遠泳のために茨城県から転校してきた。
同小卒業生の母の亜里沙さん…