フェリーから見た悪石島。標高584メートルの御岳がそびえる=2025年6月28日午後1時59分、鹿児島県十島村、渡辺純子撮影

 5日午前6時29分ごろ、鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする地震があり、同県十島村の悪石島で震度5強を観測した。気象庁によると、震源の深さは19キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.4と推定される。総務省消防庁によると、けが人や家屋への被害は確認されていないという。

 気象庁によると、この地域では地震が断続的に発生。6月21日午前8時から7月5日午前7時までに、震度1以上の揺れを1303回(6弱が1回、5強が1回、5弱が3回、4が30回、3が95回、2が313回、1が860回)観測している。会見した海老田綾貴・地震津波監視課長は「当分の間、最大震度6弱程度の地震に注意してほしい」と呼びかけた。

 一連の地震を受け、村では希望者による島外避難が始まった。4日には、第1陣の13人が鹿児島市内に移動した。

 5日は、国内外のネット上で、日本で大地震が起こると「予言」された日だった。海老田課長は震度5強の地震の発生は「全くの偶然。科学的に地震の予知は困難だ」と関連性を否定。熊本地震があった2016年には1年間で震度1以上の地震が6587回発生するなど、「日本では、平均で年間2千回以上、1日あたり5回以上の地震が起きている」と指摘した。

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 「いつでも地震は起こる可能性がある」とし、水や携帯ラジオ、トイレットペーパーなどを備え、家具の固定などをあらためて確認するよう呼びかけた。

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