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フェリーから見た悪石島。標高584メートルの御岳がそびえる=2025年6月28日午後1時59分、鹿児島県十島村、渡辺純子撮影
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 6日午後2時1分と午後2時7分、鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする地震があり、同県十島村の悪石島では震度5強を2回連続で観測した。村によると、けが人や家屋の倒壊などの情報は入っていない。

 気象庁によると、1回目の震源の深さは21キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は4.9、2回目の震源の深さは23キロ、M5.5と推定される。

 悪石島に近いところで活発な活動が続き、観測点に近いところで地震が起こると、大きな揺れが計測されるという。一連の活動で最も大きな揺れを観測した3日の震度6弱に次ぐ、大きな揺れの5強が2回連続で発生したが、気象庁の担当者は新たな段階に入ったのではなく、「同じ状況が続いているとみている」と説明した。

 同近海での6月21日から7月6日午後4時までの震度1以上の地震は1510回(6弱が1回、5強が3回、5弱が3回、4が34回、3が113回、2が369回、1が987回)となった。

 村では希望者が島外避難を始めており、この日は悪石島の第2陣31人と小宝島の第1陣15人の計46人が午後5時40分ごろ、村営フェリーで鹿児島港に到着した。家族連れも多く、杖をついて村職員に支えられながら下船する高齢者の姿もあった。

 小宝島で「山海留学制度」に応募した小中学生の寮監をしている斎藤星さん(48)は寮生6人全員と息子、妻とで避難してきた。同島でも地震が続き「子どもたちが学校に行って、目が届かないところにいるときも不安だった。避難できて、ほっとしている。島内に残る人たちも心配だが、早めに地震が落ち着いてくれることを祈るばかり」と報道陣の取材に答えた。

 悪石島では第2陣までの避難で義務教育学校の村立悪石島学園の小中学生全員が島外に出た。村によると、今後、悪石島と小宝島の生徒向けにLINEを使ったオンライン授業を実施するという。

 久保源一郎村長は6日の会見で、悪石島から先に島外避難した5人と5日朝、宿泊先で面談したことを明かし「まだ疲れは残っているようだが、全員元気だった。第2陣の避難者も安心してもらえると思う」と話した。

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