3日午後4時13分ごろ、鹿児島県・トカラ列島近海を震源とする地震があり、同県十島村の悪石島で最大震度6弱を観測した。
気象庁によると、震源の深さは約20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.5と推定される。十島村の小宝島では震度3を観測した。この地震による津波の心配はないという。
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福岡管区気象台によると、6月21日午前8時から7月3日午後1時までに最大震度1以上の地震が1004回(最大震度は5弱が3回、4が20回、3が66回、2が239回、1が676回)発生した。
悪石島で民宿を経営する有川和則さん(73)は「ちょうどガソリンスタンドで給油するところだった。車が大きく揺れて、電柱も揺れて抜けそうだった。家の中で大きな被害はない」と話した。
官房長官「被害を確認中」
鹿児島県十島村で震度6弱を観測する地震が起きたことを受けて、林芳正官房長官は3日午後5時すぎ、首相官邸で臨時の記者会見をした。林氏は「人的・物的被害については確認中と報告を受けている」と述べた。
林氏は「人命第一の方針のもと、被害状況把握と、救命・救助などの災害応急対策に総力を挙げて取り組んでいる」と説明。「揺れの強かった地域にお住まいの皆様は、自治体の避難情報の他、テレビ、ラジオ、インターネットなどの情報にも注意して行動いただくようお願いします」と呼びかけた。
林氏によると、石破茂首相から午後4時17分に、早急に被害状況を把握する▽自治体と緊密に連携し、人命第一の方針の下、政府一体となって、被災者の救命・救助などの災害応急対策に全力で取り組む▽国民に対し、避難や被害などに関する情報提供を適時的確に行うように指示があった。
地震発生後、官邸には災害担当の官僚らが続々と集まった。坂井学防災担当相は午後4時半すぎ、官邸に入る際に記者団に「私もこれから(状況を)確認するところです」と話した。政府は、既に設置していた「鹿児島における地震に関する情報連絡室」を「官邸対策室」に変更した。
首相は地震発生時、兵庫県尼崎市での参院選の街頭演説を終え、移動していた。
各地の震度は次の通り。
<震度6弱>
鹿児島県:十島村
<震度2>
鹿児島県:奄美市、瀬戸内町
<震度1>
鹿児島県:大和村、宇検村、龍郷町、喜界町、天城町、伊仙町