2日に投開票された鹿児島県種子島の西之表市長選で、無所属現職の八板俊輔氏(71)が新顔5氏を破り、3選を決めた。着工から2年が過ぎた馬毛島への自衛隊基地建設で、暮らしにさまざまな影響が生じるなか、2期8年の経験を強調して混戦を制した。当日有権者数は1万1947人。投票率は71・89%(前回80・17%)だった。
八板氏は3期目を「仕上げのとき」と位置づけ、市政継続が必要だと訴えてきた。
初当選した2017年以来、基地反対を掲げてきたが、2期目途中の22年に国が馬毛島への基地整備を決めると、「市民の分断を避けたい」として反対を封印し、国の米軍再編交付金を受け入れた。今回の選挙でも八板氏は「二者択一で問題は解決しない」として、賛否を示さない姿勢を貫いた。
23年の着工後、市内では家賃高騰や住宅不足、基地関連の仕事への人材流出など、さまざまな影響が顕在化している。こうした課題について八板氏は「国と交渉にあたれるのは、激動の数年間を担った私しかいない」と現職の実績を強調。「戦闘機が種子島上空を飛ばない保障を国に取りつける」「失われるものを超える恩恵を引き出す」などと、賛否双方の立場に配慮を見せた。
そのほか、産業振興や子育て支援、人材確保の支援、空き家の活用、高齢者の買い物支援などの施策も掲げた。
対する新顔5氏のうち4氏は基地に賛成・容認の立場。自民党国会議員や県議の支援を受けた池田恵衣子氏(70)は、基地を受け入れて前向きに議論すべきだと訴え、一次産業の振興、医療や教育の充実などで「帰ってきたい島をつくる」と掲げた。残る3氏も基地との共存や交付金の活用などを訴えたが、いずれも及ばなかった。
唯一、基地への反対を明言した三宅公人氏(72)=共産推薦=は、基地整備と米軍機訓練移転の中止、交付金に頼らないまちづくりなどを訴えたが、伸び悩んだ。
西之表市長選の開票結果
八板俊輔(71)無現 2656票
池田恵衣子(70)無新 2074票
鮫島斉(47)無新 1016票
鎌田孝章(45)無新 1016票
三宅公人(72)無新 948票
浜上幸十(74)無新 803票