まちの動物園にパンダがやってくる――。神戸市の尾崎真由美さん(60)は24年前、ニュースに心躍った。
その5年前に阪神大震災が発生し、大好きだった神戸の街並みが崩れた。観光客も足が遠のいてしまっていた、と振り返る。船の仕事をしていた尾崎さんの父は、港が震災の影響を受けたことで仕事が減り引退。尾崎さんの知人は何人も亡くなっていた。
尾崎さんは同市立王子動物園に子どもと一緒に向かった。震災直後に水をもらう人の列は見ていたが、娯楽のために行列ができるのを久しぶりに見た気がした。
パンダに会えると思うとドキドキした。
多いときは年に100回ほど、タンタンに会うために動物園に来ていたという尾崎さん。記事の後半では、尾崎さんがこれまでに撮ったタンタンの写真や、タンタンを愛した全国のファンのメッセージもご覧になれます。
並んでいる人が笑顔で、「も…