「浄晨」=東京芸術大学蔵 猛暑が続くなか、見ているだけで涼やかな気持ちになる日本画だ。夜明けを迎えたカラマツの林に日の光が差し始め、枝に付いた霧氷が輝く。冬の早朝の冷え込みを思い出し、背筋が伸びる。 京都の日本画家・奥村厚一は、日本各地を旅して風景表現を追求し、なかでも雪景色を描くことを好んだ。42歳の時に描いたこの作品…