（評・映画）「石がある」　離れては戻る、愉楽と恐怖

　ふたりの人物が川で出会う。彼らは水切りをする。石を拾う。石をなくす。石を積んだり枝を運んだり、名称不明のゲームをする。川が途切れるまでどんどん歩く。この映画について書くなら、こんなふうに画面内で起こる出来事を羅列するしかない。そのタイトルが示すように、カメラの前にあるもの、そこで起きていることをた…