4日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格が値上がりし一時、約5カ月半ぶりに1バレル=87ドル台を超えた。中東情勢がさらに悪化する懸念から上昇した。リスクを避けようと日米で株価が大幅に下落。5日の東京株式市場で日経平均株価は一時、900円超値下がりした。
WTI原油は4日昼ごろまで84~85ドルほどで取引されていたが、イスラエルが行ったとみられるシリアのイラン大使館攻撃をめぐり、「イランが報復する可能性が高まっている」とイスラエルメディアが報じたことが伝わると、2ドルほど急騰した。
株価も下落した。ニューヨーク株式市場では、前日より約200ドル値上がりして取引されていたダウ工業株平均が下落に転じ、530・16ドル(1・35%)安い3万8596・98ドルで取引を終えた。下落は4日連続で、下げ幅は今年最大。米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の高官が、早期の利下げに消極的な発言をしたことも株価の下落につながった。
5日の東京市場もこの流れを引き継いで取引が始まった。外国為替市場が円高ドル安に傾いたこともあり、日経平均株価は一時、前日より900円超値下がりし、3万9000円を割り込んだ。(ニューヨーク=真海喬生)