「ディアロード」と揶揄(やゆ)される北海道北部の国道232号。特に留萌市~苫前町(約40キロ)の海岸線の急斜面は毎冬、数えきれないほどのエゾシカが雪を掘って下草をむさぼる「異様な光景」が続く。シカも命をつなぐために必死だが、交通事故も多発。道は今冬、本格的な捕獲に乗り出した。
留萌~苫前の海岸線は冬、風が強く、国道沿いの急斜面は雪が飛ばされて積雪が少ない。このため、エゾシカは「エサ場」として利用。しかも急斜面は道路敷地(のり面)のため、銃で撃たれる心配もない。斜面の上の丘陵地は森林で吹雪もしのげ、格好の越冬地になっている。
生息密度が濃いのが中間に位置する小平町だ。冬は雪深い内陸からエサを求めて海岸線に移動しているようで、斜面では1日に300頭以上が目撃される日もあるという。町は有害鳥獣駆除を続けているが、農業被害額は減少傾向になく、エゾシカが関係する交通事故も2018年以降、毎年10件以上発生している。
留萌振興局が捕獲に取り組む…