新潟北署の佐山冨美男署長から感謝状を贈られる(左から)五嶋輝さん、若槻蓮大さん、狹間光さん

 「助けて」。3人でランニング中、高齢の女性から声をかけられた。見ると、右足は靴を履いておらず、左の靴は底がはがれている。道路には残雪。声をかけて元気づけながら、助けを求められる所まで女性を交代でおぶった。女性は警察官に無事に保護され、3人の高校生には感謝状が贈られた。

 「ランニングに行こうか」。1月22日、寮での朝食を終え、敬和学園高校の若槻蓮大(れんた)さん(2年)と五嶋輝(ひかる)さん(1年)、狹間光(はざまこう)さん(1年)はそんなことを話していた。

 前日は入試で休み。この日も先生たちによる合否判定会があって休日だった。若槻さんと五嶋さんは野球部員で、狹間さんはバレーボール部員。学校近くの3.5キロのランニングコースを駆けだした。

 学校は新潟市北区太夫浜の日本海近くにある。ランニングコースは防風林の中。晴れてはいたが、海からの風は冷たく、道路のところどころに雪が残っていた。

 半分ほどまで来た午前8時40分ごろ、先頭を走る若槻さんに女性が「助けてください」と声をかけた。腰は曲がり、70~80代に見えた。右足は靴下しか履いていない。「大丈夫ですか?」。若槻さんは足を止め、追いついた五嶋さんと狹間さんも女性を囲んだ。

 女性は「車が壊れたの」「あ…

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