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ツルヤの「やわらかドライフルーツ」=2024年9月28日午後0時54分、遠藤和希撮影
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 国産のドライフルーツ市場で最大級のシェアを誇る企業が長野県にある。南アルプスの山あいにある阿智村の「南信州菓子工房」だ。信州土産の定番として知られる人気商品を生み出したのは「半生」の技術。最中や甘納豆にヒントを得たという。

 長野県を中心に展開するスーパー「ツルヤ」(本社・長野県小諸市)の軽井沢店ではプライベートブランドのドライフルーツが観光客に人気だ。雑誌などにもたびたび取り上げられている。

しっとり食感

 その多くは南信州菓子工房がつくっている。「半生製法」を掲げ、着色料、保存料を使わず果肉もそのまま。従来のドライフルーツと違い、甘納豆やようかんにも似たしっとりとした食感が特徴だ。

 同社は2012年末、県内の農家と協力し、柿やリンゴでつくり始めた。ジュースなどの加工品よりも高い利益率をめざした。創業した木下裕亮(ひろすけ)社長は「水分を調整して日持ちのするお菓子をつくる技術の活用を考えた」といい、地元の農産物と、下伊那地域で培われた半生菓子の製造技術を掛け合わせた。もっちりとした食感で知られる、地元の「市田柿」にヒントを得たという。

秘密は真空釜

 生産には真空釜を使う。40…

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