会談を前に握手するインドのシン国防相(前列左)と中谷元・防衛相(前列右)=2025年5月5日、ニューデリー、代表撮影

 インドを訪問した中谷元・防衛相と新国防相による5日の日印防衛相会談は、自衛隊とインド軍の共同訓練の拡大・深化などで合意しました。トランプ米政権下での日印接近をどうみるか、防衛大学校の伊藤融教授(インド政治)に聞きました。

 ――10月の就任以来、中谷氏の訪印は初めてです。今回の訪問の意義はなんですか。

 「インドの国内総生産(GDP)の規模は、2020年代後半に日本を抜いて世界3位になることが確実視され、軍事力も確実に増していく。そんなインドをできるだけ日本に引き寄せ、友好国でいてもらうことは重要です」

 ――日本におけるインドの重要性は増すとしても、インドにとってはどうでしょう。

 「日本にとってインドが重要なのは間違いありません。一方、インドにとっての日本の重要性は、インドが発展すればするほど低下していくおそれがあります。インドの重要性は世界的に増してきており、インドにとって、世界で自らの協力相手を選ぶのはよりどりみどりの状況です。日本はできるだけ早く、インドから必要不可欠とみなされるような関係性を築く必要があります」

 ――会談では、日印両国の防…

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