原発で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れた、北海道の2町村が受け取った国の交付金が底をつきかけている。それぞれ計20億円と2町村にとっては巨額だったものの、漁業施設を造ったり公共施設の維持費に使ったりして、交付から4、5年でほぼなくなる見通しだ。
2020年に全国初の文献調査が始まった神恵内村と寿都町に交付されたのは、原発の立地自治体にも出されている電源立地地域対策交付金。21、22の両年度に分け、2町村とも計20億円を受け取った。
24年度当初予算の規模が約28億円の神恵内村、約54億円の寿都町にとって、決して少なくない金額だ。すでに別の補助金を受けている事業や自治体の人件費、役場の改修などには充てられないものの、比較的幅広い用途に使える便利なお金だった。ただ、原発立地自治体のように毎年交付されるわけではなく、文献調査を受け入れた一回限りの「いわば補償のようなもの」と言われた。
交付金の使い道は2町村で異…