日本で長年避けられてきた「性教育」を28年実践してきた高校がある。東京都世田谷区の大東学園高校。「総合的な探究の時間」を使い、1年生が週1コマ、1年を通して「性と生」について学ぶ。生徒は何を学び、どう受け止めているのか。昨秋から同校に通い、授業を見せてもらった。
「今日のテーマは性感染症です」
昨年11月、1年G組の授業で、「性と生」の教科主任を務める荻野雄飛教諭(33)が、プリントと東京都作成の性感染症の冊子を配った。生徒たちは興味津々で冊子のページを繰った。
荻野教諭がプリントの問いを読み上げる。「問い1。症状が出ても放っておいた人が25%もいる。なぜ?」。生徒たちはそれぞれ考えをタブレット端末に書き込む。
「恥ずかしいから」「大丈夫…