「お待ちどうさま、都市伝説の季節です」「緊急募集 無料送迎バス乗車希望者」
昭和のたたずまいで、いまも手描きの映画看板を掲げるミニシアター「御成座」(秋田県大館市)の公式X(旧ツイッター)が12月9日、こんな告知を載せた。
行程は1泊4日の「弾丸旅行」。マイクロバスで30日午後8時に東京・上野を発ち、翌31日午前9時ごろに大館に到着。帰路は1月1日午後6時に大館を出発し、翌2日午前7時ごろに上野へ戻る。滞在期間中、御成座で映画を見ることが無料の条件だ。
往復1300キロメートル、片道13時間――。告知には「リクライニングはあまり利きません。最後列はリクライニングなし」。
道の駅やコンビニエンスストアなどで休憩をとりながら、一般道を中心に夜通し走る。告知の翌日、定員18人の枠が早々と埋まった。
一家で千葉県から移住し、一時は経営難で閉館していた御成座を2014年に復活させたオーナーの切替(きりかえ)義典さん(51)が企画した。電気通信設備工事会社を営み、普段の映画館運営は妻の桂さん(55)に任せ、仕事で千葉に単身赴任している。
帰省のついでに……
始まりは、ジブリ作品を上映…