(13日、第107回全国高校野球選手権宮城大会1回戦 東北学院榴ケ岡13―1名取・仙台工=七回コールド)
「1人でよく頑張ったな」。名取・仙台工の日野正太朗選手(3年)は試合後、そう話した。
仙台工は昨夏の3年生が引退すると部員は2人に。冬には唯一のチームメートが退部し、部員は日野選手だけになった。
「やめようかな」。そう思うこともあった。それでも「2年間やってきた。あと少し頑張ろう」と思い直し、監督にノックを打ってもらったり、体幹トレーニングをしたりして冬を過ごした。
仙台工は創立129年の伝統校。野球部は過去5度、宮城大会で準優勝したこともある。「ここでやめたら部がなくなってしまう」という気持ちもあった。春には1年生5人が入部。部員8人の名取と連合チームを組んで夏の大会に臨んだ。
この日は昨秋の東北大会出場校・東北学院榴ケ岡相手に及ばなかった。「全然打てなかった」と悔しさをにじませつつも「あのときやめなくて良かった」と振り返った。