A-Stories 武器輸出拡大の舞台裏 緊迫の自公交渉

 武器輸出をめぐる政府・自民党と公明党との協議の進展がはっきりと見えたのが、2024年3月5日の参院予算委員会での公明・西田実仁と首相の岸田文雄とのやり取りだった。

 西田 「なぜ、次期戦闘機が必要か?」

 岸田 「我が国への侵略は、必ず空または海を経由して行われる。最新鋭の次期戦闘機を開発することが不可欠だ」

 西田 「なぜ国際共同開発を行う必要があるか?」

 岸田 「(日英伊)3カ国の技術を結集し、リスクとコストを分担しながら開発することを判断した」

 西田 「なぜ第三国輸出が必要か?」

 岸田 「調達価格の低下に向け第三国移転の推進は重要だ。移転の仕組みを持たなければ、我が国が求める性能を有する装備品を取得することは困難で、我が国の防衛に支障を来す」

異例の長さの首相答弁

 岸田の答弁はA4判にして3枚9項目にのぼる。首相答弁にしては異例の長さで、北側とNSS局長の秋葉剛男が中心になって練り上げたものだ。政府側が「丁寧な国会への説明」を印象づけようとしていることをうかがわせた。

 翌週の13日。再び西田が質問に立った。

 2024年3月決定の武器輸出規制の大幅緩和から1年余り。決定に至るまでの自公交渉は予想以上に難航しました。戦後安保政策大転換の舞台裏で一体何が起きていたのか、当事者たちの証言を交え、徹底検証します。

 岸田はこの場で「三つの限定…

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