Smiley face
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子どもたちの話を聞く高橋卓さん(右から2人目)と佐藤秀哉さん(左端)
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 新潟駅から車で南へ約30分、新潟市秋葉区に屋内型スケボーパークがある。昨年12月の夕方、10人ほどの子どもたちが木製の障害物を備えたコースで、次々と技に挑んでいた。

 「やった、できたじゃん」

 スケボー教室「VIVID SKATE SCHOOL」を運営する高橋卓さん(42)が明るく声をかける。子どもたちも笑顔だ。

 2019年にオープンしたこのスクールには特色がある。スケボーの習熟と並行して不登校児童の支援に力を入れているのだ。

 高橋さんは20代の頃から10年以上、福祉施設での介護職や引きこもりの就労支援を仕事にしてきた。自らの趣味でもあったスケボーを通して、悩みを抱える子どもたちをサポートできないかと考え、「スケボー×福祉」をコンセプトに教室を開いた。

不登校の子どもが増える中、ストレスの発散やコミュニケーションの場としてスポーツの役割が注目されています。どのような支援の形があるのでしょうか。取り組みを続ける指導者や不登校を経験したアスリートに話を聞きました。4回の連載で紹介します。

団体競技が苦手な子にも

 「この場所があったから、人とのつながりを保てた」

 そう語る佐藤秀哉さん(16)も、かつて不登校だった受講生の一人だ。

 きっかけは小学2年生の頃。同級生の冗談交じりの悪口に傷ついたことだった。

 繊細で、まじめな性格。徐々に登校日数が減り、小5の頃から全く通えなくなった。

 家にこもり、1日18時間ゲ…

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