卒業写真の撮影に臨む芸術文化観光専門職大学の学生たち=2025年3月21日午後3時27分、兵庫県豊岡市山王町、菱山出撮影

 芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)で21日、学位記授与式(卒業式)があった。4年前に開学し、1期生61人が巣立つ。11人が県内に就職し、うち8人が但馬地域に残るという。

 芸観大は2021年4月、但馬地域で初の4年制県立大学として開学した。同市に移住した劇作家の平田オリザ氏が学長に就任。演劇を本格的に学び、芸術文化と観光分野の双方で企画立案や事業運営に携わる専門職業人の育成が目標に掲げられた。

 授与式で平田学長が一人ひとりに学位記を授与した。平田学長は式辞で「白黒の意見表明を求められたら、どうか弱き者、小さき者の側に立ってください。歴史の傷みに涙する人になってください。ミサイルのボタンを押す側ではなく、がれきの中に立ち尽くす幼子の側に寄り添ってください」と語りかけた。

 在学生を代表して3年生の秋山花緒(かお)さんが「全国で、世界で活躍する皆さんの背中を私たちは誇らしげに見ています。皆さんなら絶対に何にも負けない強さで新しい歴史を歩んでいけます」と壮行メッセージを贈った。

 卒業生を代表して粒耒楓彩(つぶらいふうあ)さんが「これからは卒業生としての誇りを胸に、芸術文化と観光の知識を生かしながら、彩りある豊かな社会の実現に貢献できるよう一層精進します」と謝辞を述べた。

 4月2日の入学式には85人前後が入学する予定。

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