イタリア北部のコモ湖で2022年7月、湖畔に集まる人たち=ロイター

 美しい湖畔の景色で知られ、高級保養地として名高いイタリア北部「コモ湖」の空気を詰めた缶が10月から売り出された。CNNが報じている。

 販売を始めたのは、コモ湖周辺の観光促進に取り組む通信会社「ItalyComunica」。1缶400ミリリットルで値段は11ドル(約1600円)。周辺の店舗で売り出した。

 公式サイトでは、「世界で最も美しい湖の純粋な空気」が入っており、コモ湖の一部を持ち帰れる「ぜいたくなお土産」と宣伝。「ひとときの逃避、静寂、あるいは単に美しさが必要なときはいつでも開けて」と呼びかけている。

 使い終わった缶は、ペン立てや植木鉢としても使える。販売担当者はCNNの取材に「これは商品ではなく、心に刻む具体的な思い出だ」と語っている。

 コモ湖はミラノの北80キロに位置し、「007」シリーズや「ハウス・オブ・グッチ」といった映画のロケ地にもなった。俳優のジョージ・クルーニー氏が近くに別荘を購入したことでも話題になった。コモ湖があるロンバルディア州観光局によれば、2023年には560万人以上が訪問し、観光客数は増え続けているという。

 観光地の空気入り缶詰は、同国ナポリでも売られているほか、英国の空気を海外にいる英国人向けにボトルで販売する企業もある。日本でも東京の空気を詰めた「東京空気缶」(500円)がJR秋葉原駅近くの自動販売機で売られている。(山本逸生)

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