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介護

 今年1~6月の訪問介護事業者の倒産件数は45件で前年の同じ時期から5件増え、上半期としては2年連続で過去最多を更新した。東京商工リサーチが7日、公表した。2024年度の介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬が2~3%程度引き下げられたことや、人材不足、物価高が影響しているとみられる。

 原因別では、報酬の引き下げや利用者の減少などによる売り上げ不振が38件と、8割を超えた。賃上げが進まないことによるヘルパーの採用難が一因となった倒産も6件起きていたという。

 これまでは小規模・零細の業者が大半だったが、従業員10人以上が9件(前年同期比125%増)、資本金1千万円以上が6件(同100%増)と、中小・中堅事業者にも倒産が広がってきている。

 同社は「ヘルパー不足やガソリン代高騰、人件費上昇などに歯止めがかからず、収益改善は難しい状況が続いている」と指摘。「自力での経営改善には限界があり、国や自治体の支援強化が必要となっている」としている。

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