宇宙産業を盛り上げるために、民間企業や大学に10年で約1兆円を投じる宇宙戦略基金の第1期(3千億円分)の採択結果が出そろいました。基金の運用方針の管理・調整を担う委員会の座長を務める一般社団法人「SPACETIDE(スペースタイド)」の石田真康代表理事は、宇宙政策の「切り札」と話します。成功のカギを聞きました。

宇宙戦略基金のプログラムディレクターを務める石田真康・SPACETIDE代表理事

 ――近年、宇宙ビジネスが世界中で盛り上がっています。なぜですか?

 一言で言うと「宇宙が近くなった」ということだと思います。米スペースXなどの台頭でロケット打ち上げのコストは、この20年ほどで格段に下がりました。衛星の開発や製造のコストも下がったこともあり、宇宙は多くの国や民間企業でも手を伸ばせるようになりました。

 ――日本政府の宇宙関連予算も上がっています。

 宇宙産業が日本が勝てる可能性がある分野だということが大きいです。長年の実績があり、技術やノウハウが蓄積されています。

 とはいっても、ロケット開発…

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