岐阜県が、次世代型路面電車(LRT)を有力候補とする新たな交通インフラの導入を検討している。具体的な事業計画を検討するための調査委託費3千万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を11日に発表した。18日開会の定例議会に提出する。
LRTはライトレールトランジットの略で、乗り降りしやすい低床式車両が軌道を走る。国内では富山市で2006年、宇都宮市で23年にそれぞれ開業した。
江崎禎英知事が7月の県議会一般質問で、岐阜圏域のまちづくり政策について「LRTを有力な候補として検討を始めた」と答弁し、県の計画が明らかになった。
江崎知事によると、東海道新幹線の岐阜羽島駅―県庁―岐阜駅▽岐阜駅―金華山―長良川国際会議場(周回)▽岐阜市内―岐阜大前―岐阜インターチェンジ(IC)――の3ルートを検討しているという。10年後の導入をめどに進める。事業費は「試算中」という。
県の補正予算案の説明資料では「岐阜圏域には魅力ある拠点が数多くある」とした上で、「それらを有機的に『線』で結び、『面』としてにぎわいを広げるまちづくり推進の一環として、新交通システムの導入可能性を調査する」と説明している。
県都市政策課によると、建設コンサルティング会社に調査を委託し、路線の両端に想定している岐阜ICと岐阜羽島駅を結ぶルートを念頭に導入の可能性を検討する。既存のバス路線の再編や「パーク&ライド」の導入も検討する。県の担当者は「運営主体の規模や資金調達など、どのような形で導入できるかを検討し、年度内をめどに一定の結論を出したい」と話した。