神奈川県内19市で最も遅く、今年10月から公立中学校で給食を始める茅ケ崎市で24日、導入する「デリバリー給食」の試食会があった。保護者と夏休み中の生徒ら約240人が申し込み、急きょ会場をひと部屋増やすなど関心の高さがうかがわれた。
茅ケ崎市の中学給食は、民間業者が相模原市内の工場で調理し、ランチボックスで各校に配送する方式。この日のメインのおかずは小学校給食で大人気という「ブリと大豆の甘辛」で、市の栄養士が、小学校と同様に魅力ある献立作りと料理の監修に努めると強調した。アレルギー対応をしないことなどから、各家庭が食べるかどうかを選ぶ選択制を採る。利用率は7割をめざすという。保護者負担は1食360円。
中3と中1の息子と参加した茂木由紀さんは「息子たちにギリギリ間に合い、ぜひ使いたい」と話す一方、ごはんの量が一定のため「食が細い息子は食べきれず、罪悪感が募ると悩んでいる」。中2の娘がいる別の女性は「友だちが給食を頼むかどうかを気にし、『私も弁当がいい』と言われたら断れない」と話し、「なぜ最初から全員給食にしないのか」とこぼした。
茅ケ崎市では公立中13校のうち6校で10月から、7校で来年5月からの実施を予定している。利用促進策としてスタートから20回分を無料とするという。(足立朋子)