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実質賃金の推移

 物価の上昇分を差し引いた働き手1人あたりの10月の「実質賃金」は、前年同月比0.0%で横ばいだった。最低賃金(時給)の改定もあって3カ月ぶりにマイナスから脱したが、プラスには届かなかった。

  • 賃上げ目標、過去最高の水準相次ぐ 来春闘に向け、産業別の労働組合

 厚生労働省が6日、10月分の毎月勤労統計調査(速報)として発表した。労働者が実際に受け取る「名目賃金」にあたる現金給与総額は2.6%増の29万3401円で、34カ月連続プラスだった。このうち基本給などの所定内給与は2.7%増の26万5537円で、1992年11月以来の高い伸びとなった。

 全国平均で過去最高の引き上げ幅となった最低賃金が10月から順次適用された効果も出た。

 一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)の伸び率は、電気・ガス料金の補助金で押し下げられ、2.6%だった。名目賃金からこの物価上昇分を差し引いた実質賃金は、前年同月比0.0%で同水準となった。

 実質賃金は、ボーナスによる押し上げ効果で今年6月に27カ月ぶりにプラスに転じたが、8月以降は2カ月連続のマイナスだった。10月は速報値ではマイナスを脱したが、サンプル数が増える確報値は下ぶれする傾向がある。

今後の見通しは

 実質賃金のプラス基調はいつ…

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