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イラン中部コムのイスラム・アザド大学内にあるバシジ支部の支部長、ミラド・ナジャフィ氏。普段は貧困地域や災害の被災地で食べ物を配るなどのボランティア活動をしているといい、「国のために殉教する覚悟がある」と言い切った=2024年6月10日、コム、佐藤達弥撮影
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 イラン大統領選が28日、投票日を迎える。中国やロシアとの協力を重視する保守派と、米欧との対話に前向きな改革派の候補が接戦を繰り広げる。強固な保守層を形成する民兵組織などの固定票に対し、それに反感をもつ層がどれほど投票するかが鍵を握りそうだ。

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 候補者6人のうち2人が27日までに選挙戦からの撤退を表明。残る4人のうち、有力なのは保守派のガリバフ国会議長(62)、保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)、改革派のペゼシュキアン元保健相(69)。直近の世論調査ではそれぞれ2割前後の支持を得ている。大統領選で過半数の票を得た候補がいない場合、上位の2人が7月5日に19年ぶりの決選投票に臨む。

 保守派は組織票に強く、全国で100万人を動員可能ともいわれる民兵組織「バシジ」もその一つだ。全国の地域や学校、企業に支部があり、普段は貧困地域や災害被災地でのボランティア活動などをしている。

 重要な活動の一つが、デモ対応だ。女性に着用義務がある布「ヒジャブ」をめぐって2022年に起きた大規模デモでは、バシジなどが武力鎮圧に投入された。国連がまとめた報告書は、デモ参加者計551人が殺害された可能性があり、バシジなどが「深刻な人権侵害や国際法上の犯罪に加担した」と指摘した。

 「国に命を捧げる覚悟がある…

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