ASIAN KUNG-FU GENERATIONの(左から)山田貴洋、喜多建介、後藤正文、伊地知潔=2025年4月、東京都内、野城千穂撮影

 最初はごく小さな試みだったとしても、無限に広がる可能性がある――。ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」(アジアン・カンフー・ジェネレーション)が2003年に、そんな思いを込めて名づけた音楽フェスティバル「NANO-MUGEN FES.」(ナノ・ムゲン・フェス)が11年ぶりに復活する。会場は横浜とインドネシア・ジャカルタ。海外での開催は初めてだ。なぜ、このタイミングで復活するのか。なぜ、ジャカルタなのか。メンバーに尋ねた。

 ボーカル・ギターの後藤正文は「アジアとの交流に目を向けた」と語る。

 初回は03年。東京・新宿のライブハウスで、日本のバンドだけで開いた。翌年からは欧米のバンドも招くようになり、会場は日本武道館、横浜アリーナと大きくなった。

 アジカンの音楽的ルーツは欧米の音楽。後藤は、日本と欧米のバンドが共演するフェスを通じて「洋楽ファンと邦楽ファンの間の溝に橋を架けたい」と考えていた。

 その後、国内で音楽フェスが増え、アーティストが主催するフェスも珍しくなくなった。「自分たちがめざしてきた交流の場としての役割は果たした」と考え、14年を最後に中断した。

伊地知潔の提案がきっかけで

 今回復活させたのは、アジカ…

共有
Exit mobile version