落雪によるとみられる死亡事故があった住宅=2025年2月9日午前11時49分、福島県会津美里町、斎藤徹撮影

 この冬一番の寒気が流れ込んで各地で大雪となっている。

 9日は、日本海側を中心に雪が降り続き、気象庁は警戒を呼びかけた。

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 同庁によると、9日午後7時までの24時間の降雪量は、多いところで、群馬県みなかみ町(藤原)で45センチ、島根県浜田市で22センチ、京都府南丹市で15センチなどだった。

 また、9日午後7時の積雪は、多いところで、青森市(酸ケ湯)で407センチ、新潟県魚沼市(守門)で315センチ、山形県西川町で309センチ、山形県大蔵村で308センチ、新潟県津南町で296センチなどとなっている。

 9日午前6時からの24時間でも、東北地方で最大50センチ、関東甲信、北陸、東海地方で最大40センチなどの降雪量が予想されている。

 この影響で、運休や遅れなど交通への影響も出ている。

 JR東日本は9日、山形新幹線の福島―新庄間の上下線で終日運転を見合わせた。同社は、10日は運転を再開する予定だが、遅れや運休が発生する場合があるとしている。

 東海道新幹線では、名古屋―新大阪間の上下線一部区間で始発から速度を落として運行し、遅れが出た。

 総務省消防庁によると、9日午前10時現在、4日以降の一連の大雪で新潟県と富山県で2人が死亡し、計11道府県で39人が重軽傷を負った。

 10日は、高気圧が東シナ海へ移動し、日本付近の冬型の気圧配置は緩む見通しだが、東北地方や北陸地方の日本海側では11日にかけて断続的に雪が降る見込みで、警戒が必要だ。

東北で落雪事故相次ぐ

 強い寒気による大雪が続いている東北地方では、屋根からの落雪によるものとみられる事故が相次いでいる。

 福島県では8日午後9時50分ごろ、会津美里町旭舘端の無職、石井セツ子さん(77)が自宅の軒下で倒れているのが見つかった。下半身が雪に埋もれ、近くにはスコップがあった。石井さんは一人暮らし。同日夜、息子が家の様子を見に行ったところ、姿が見えなかったため、捜していたという。会津若松署は、落雪か、崩れた雪の下敷きになった可能性があるとして調べている。

 山形県最上町では同日午後3時ごろ、男性(66)が自宅の軒下で倒れているのを妻が発見した。上半身が雪に埋まっていたため、近隣住民と妻が救出し、男性は病院に搬送された。意識不明の重体だという。

 新庄署によると、男性は当時、妻と手分けして自宅敷地で除雪機を使って雪かきをしていた。倒れていた場所の上の屋根には、深さ約80センチの雪が落ちた痕跡があったという。

 同日午後3時ごろ、同県村山市では自宅の雪かきをしていた女性(85)が落雪にあい、左ももの骨が折れる重傷を負った。助けを呼ぶ女性の声に気づいた隣人が見つけて119番通報した。村山署によると、女性は「雪が足の上に乗っかってきた」と話しているという。

 同日夜には、飯豊町高峰でも、60代の男性が自宅の軒下で雪に埋まった状態で見つかり、死亡が確認された。西置賜行政組合消防本部によると、近くに除雪機があったという。長井署が大雪との関連を調べている。

 各地の自治体などは、落雪や雪下ろし中の転落事故などの危険が高まっているとして、1人での作業を避けるなどの注意を呼びかけている。

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