Smiley face

【動画】浸食が急速に進むタウシュベツ川橋梁=長島一浩撮影

写真・図版
水面に浮かぶタウシュベツ川橋梁=2024年10月3日午前8時34分、北海道上士幌町、ドローンで井手さゆり撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 「幻の橋」と呼ばれる北海道上士幌町の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」が、崩落によりアーチが途切れる危機にひんしている。ここ数年で急速に劣化が進む中、来年も古代遺跡のような11連アーチが見られるか、正念場の冬を迎える。

 3日午前、許可を得て上空からドローンで撮影した。高さ10メートルほどの橋の6割程度が水に沈む中、かろうじてアーチがつながっている様子が確認できた。所々でコンクリートがはがれ落ち、鉄筋がむき出しになっている。

 毎日のようにガイドツアーを実施する「ひがし大雪自然ガイドセンター」によると、7年ほど前から数年ごとに崩落が見られるように。今年6月には中央部が大きく崩れ、薄いコンクリートが残るだけとなった。

 1937年に完成した全長130メートルのアーチ橋は、水力発電用のダム建設のため水没区域になり、55年に役目を終えた。橋は毎年、雪解け水などでダムの貯水量が増える5月ごろから徐々に水没し、水が少なくなる翌年1月ごろに再び姿を見せ始める。大自然の中にぽつんと残る様子は古代遺跡のようで、企業のポスターに採用されるなど人気観光地になった。

 今年は11月上旬ごろに完全に水没する見込みで、同センターの河田充代表(64)は「アーチがいつ崩れても不思議ではなく、ギリギリの状態です。今年の冬を乗り切れるか、大きな山場です」と話した。(長島一浩)

共有