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【動画】2匹のクシクラゲが融合して一体化=基礎生物学研究所の城倉圭研究員提供

 2匹の生物が融合して1匹になるという不思議な現象を、有櫛(ゆうしつ)動物の「クシクラゲ」で確認したと日米などの研究チームが発表した。

 クシクラゲは無色透明でクラゲに似ているが、毒針はもたない。虹色に光り、姿勢を保つためなどに使う櫛板(くしいた)と呼ばれる器官がある。

 融合現象が発見されたのはクシクラゲの一種「ムネミオプシス・レイディ」。基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の城倉圭研究員(動物生理学)は2023年、研究に使うクシクラゲを入れている水槽の中に、ほかの個体よりも大きくて口が二つあるクシクラゲを偶然発見した。「最初は信じがたかった」

 2匹が融合した可能性があると考え、実験を始めた。体の一部を切除し、傷つけた2匹をピンで固定し、顕微鏡で観察すると、30分後に傷が徐々にくっつき始め、1時間後には境界が分からないほどになった。それぞれの筋肉がばらばらの動きをしていたが、2時間後には融合し、互いの筋肉が同時にぴくぴくと動くようになった。神経がくっついたことを示す結果だ。

 さらに、消化管の結合も確認…

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