【動画】14年前のままの旧双葉町役場=小宮健撮影
旧双葉町役場(福島県双葉町)は今も14年前の姿のまま残る。東京電力福島第一原発が立地する町は、原発事故で全町避難となった。2022年8月末に中心部の避難指示が解除されたが、4階建ての建物は老朽化などを理由に使われていない。解体が予定されている旧役場内に2月中旬、許可を得て入った。
旧庁舎は、JR常磐線双葉駅から800メートルほど南東にある。同行した町の職員によると耐震性に問題はない。だが、インフラ整備にコストがかかることや、目の前に、県内の除染で出た「除染土」を保管する中間貯蔵施設が広がることを鑑み、今は双葉駅前に再建した新庁舎を使う。
敷地に足を踏み入れると、通用口前には色あせた傘が数本置かれたまま。中に入るドアには「立入禁止 DO NOT ENTER」と書かれた紙が張られていた。旧庁舎の応接室や町議会議長室に外国人とみられる何者かが侵入した様子がSNS上にアップされ、物議を醸した。その後、貼り紙をしたという。
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通路には、「保存」「廃棄」と書かれた段ボールが高く積まれていた。昨年から旧庁舎内の資料の整理を進めている。
原発からの情報を書き込んだ紙
産業振興課や健康福祉課が入…