山梨県道志村長選で初当選した出羽和平氏=2025年7月6日午後9時46分、山梨県道志村、池田拓哉撮影

 山梨県道志村長選は6日に投開票され、無所属新顔で元村議長の出羽和平氏(76)が、無所属新顔で元村総務課長の諏訪本栄氏(64)を破って初当選した。

 確定得票数は、出羽氏が655票、諏訪本氏が583票で72票の小差。投票率は93.55%(前回94.64%)、当日有権者数は1334人だった。

 3期務めて引退する長田富也村長(83)が進めた村政の継続か刷新かが争点となった。

 出羽氏は長田氏の事実上の後継者で、村政の継承を主張。長田氏が事業化の道筋をつけた「新道坂(しんどうざか)トンネル」の「3年以内の着工をめざす」と訴えた。長田氏を支援してきた長崎幸太郎知事の支持も取り付けた。

 諏訪本氏は村政の転換と村民の融和を訴えた。2013年の村長選で長田氏に敗れた大田昌博前村長(72)や長田氏と距離を置く村議が選挙戦を支えた。地元の堀内詔子衆院議員(自民)も支援したが及ばなかった。

 過去の村長選では、人口約1500人の村を二分する激戦が繰り広げられてきた。長田氏がいずれも一騎打ちの選挙戦を制した13年は35票差、17年は101票差で、諏訪本氏と争った21年の前回は11票差の小差だった。投票率はいずれも95%前後に達した。

 前回の村長選では、長田氏の親族ら4人が、虚偽の転入届で選挙権を得て投票したことが明らかになり、23年3月に罰金の略式命令を受けた。

 その後、長田氏に近い村議と、距離を置く村議の対立がさらに激化。長田氏を批判する住民らが求めた村議会の解職請求(リコール)への賛否を問う住民投票は、103票差で否決された。村議の間の対立は今回の村長選にも影を落としており、出羽氏、諏訪本氏ともに「対話」や「融和」を掲げていた。

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