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将棋の山下数毅三段

 将棋の棋士養成機関「奨励会」に所属する山下数毅(かずき)三段(17)が12日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指された第77回奨励会三段リーグ戦の10回戦で勝って5勝目を挙げ、降段点(勝率2割5分以下)回避を決めた。奨励会員として出場したプロの公式戦で好成績を残しており、今回のリーグで規定に達することが確定したため、二つ目の「次点」を得ることが決まった。史上初の形でプロ入りの資格を得ることになる。

 奨励会を卒業して棋士になるには、半年がかりで18局指す三段リーグ戦で上位2人に入って四段に昇る必要がある。ただ、そこに届かなくても、次点(=3位)を2回取ると、順位戦参加資格がないフリークラスの四段になれる。

 山下三段は、第72回(2022年10月~23年3月)から三段リーグ戦に参加し、第73回で13勝5敗で3位になって一つ目の次点を獲得していた。

 さらに今年5月、第38期竜王戦(読売新聞社主催)の5組ランキング戦で決勝に進出した活躍が高く評価され、現在進行中の三段リーグ終了後に次点が付与されることが決まっていた。ただし、今回の三段リーグ戦で降段点を取らないことが今回の次点付与の前提条件だった。

 今回の三段リーグ戦での山下三段の成績は、この日まで4勝4敗。午前にあった9回戦で敗れたが、午後にあった10回戦で勝ち、5勝5敗とした。仮に残る8局で全敗しても5勝13敗となるため、既に降段点は逃れている。

 山下三段は今回の三段リーグ…

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