腕に巻き付けるタイプの反射材をつけるよう呼びかける「ハリセンボン」の2人=2024年9月6日、北区王子1丁目、吉村駿撮影

 1~8月に東京都内で起きた交通事故による死者のうち65歳以上が4割近くを占めたことが警視庁への取材でわかった。自宅近くで事故に巻き込まれるケースが目立つといい、同庁は21日に始まる「秋の全国交通安全運動」を前に、見慣れた道路でも油断をしないよう注意喚起を徹底するほか、事故の多い交差点などでの指導・取り締まりを強化する。

 1~8月の都内の交通事故の死者は89人(速報値)で、前年同期比で7人多かった。世代別では、65歳以上34人、60~64歳6人、50代15人、40代8人、30代13人、20代11人、10代1人、10歳未満1人。65歳以上の死者は昨年同期より10人多く、死者の38%を占めた。同庁によると、高齢者は認知機能や身体機能の低下により、歩行中や運転中のとっさの反応が遅れ、事故の当事者になりやすいという。

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 また、死亡事故の状況は歩行中38人、バイク乗車中23人、車乗車中14人、自転車乗車中14人だった。

 同庁によると、秋~冬は視界が徐々に悪くなる薄暮の時間帯となる午後4時以降の事故が増える傾向にある。対策を担う交通総務課の川嶋泰雄管理官は「歩行者は持ち物や衣類に反射材をつけるなどしてほしい」と話す。一方、運転者には、歩行者を早期に認識するため、対向車がなければハイビームを利用するよう求めている。

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 秋の交通安全運動を前に、警視庁などは6日、北区で交通安全教室を開き、お年寄りらに道路を安全に歩くポイントなどを説明。緒方禎己警視総監が「世界一の交通安全都市東京を目指し、対策を強力に進めていく」と述べた。(吉村駿)

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