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5キロのお米引換券と子どもファーストクーポンを手にする桂川孝裕市長=2025年6月2日午後1時26分、京都府亀岡市役所、日比野容子撮影

 京都府亀岡市は2日、子育て世帯を応援するため、0~18歳の子ども全員を対象に、2024年産の国産米を1人5キロずつ支給すると発表した。市内の商店で使えるクーポン券と合わせ、1人あたり1万2千円分相当を支給する。桂川孝裕市長は「おなかいっぱい食べてほしい」と話す。

 事業に必要となる約1億7500万円は、国の臨時交付金を活用して今年度の当初予算で、すでに確保済みだ。元々は全額をクーポンで配る予定だったが、「親が子どものために使わず、ビールを買うよりは」(桂川市長)と、値上がりが続くコメを支給することにし、クーポンは残りの8千円分にとどめた。

 対象は2007年4月2日以降に生まれた子ども全員で、約1万2500人。お米の総合メーカー「東洋ライス」から、玄米の栄養分を削りすぎないよう精米した「金芽米(きんめまい)」を70トン調達した。

 亀岡市と東洋ライスは今年4月、ふるさと納税の返礼品開発や災害時の食料支援を見据えた包括連携協定を結んだ。その準備段階で、すでに品薄感があり、クーポンを配っても実際に購入できるかどうかわからないコメの現物を届けられないか相談し、快諾を得たという。地元のJAからは調達できなかった。

 コメの引き渡し方法にもひと工夫を加えた。

 引き渡し場所を市中心部の文化施設「ガレリアかめおか」などのほか、市内に23ある自治会事務所とし、自治会に手数料を払ってコメの配布を委託する。桂川市長は「地域住民同士が互いの顔を知り、交流を深めるきっかけになれば」と語る。

 対象者には今月中旬から来月にかけて、簡易書留で「お米引換券」と「子どもファーストクーポン」が届く。コメの引き渡し期間は7月3~13日。引き取りのなかったコメは学校給食などで活用する考えだ。一方、クーポン券は7月1日から9月30日まで市内の約500店舗で使える。

 亀岡市は22年、「子どもファースト」のまちづくりをすると宣言。子育て関連事業に力を入れ、地価高騰で京都市から流出する子育て世代を呼び込んでいる。

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