円満寺に掲げられた算額の複製=奈良市山町

 江戸時代に発達した日本独自の数学「和算」の出題を解いてみよう。奈良佐保短期大学の一風変わった公開講義が、奈良市山町の円満寺で開かれた。10代の学生から近所の古老まで、見た目より手ごわい問題に取り組んだ、その答えは。

 江戸時代、和算は民間でも盛んで、全国の神社仏閣には問題や解答を絵馬などに記した「算額」が奉納された。全国で約1千面ほど確認されている。奈良県内には5面あり、1844(天保15)年の夏、山村に住む源治郎が地元の円満寺に奉納した算額は、市有形民俗文化財に指定されている。

 今年3月に寺でこの算額を知った同短大の上出吉則教授(65)は、一つの出題に目を見張った。

 1辺3尺の正六角形の内側に大円が内接し、外角を含む正三角形の内側に小円が内接している。このとき、大円と小円の直径を求めよ――。

「間違ったっていい」 大事なのは…

 上出教授は、教師をめざす学…

共有
Exit mobile version