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鏡を使ったNerhol「representation」(2025年)の展示

 千葉市美術館での大個展から1年足らずで、グラフィックデザイナーの田中義久さん(45)と彫刻家の飯田竜太さん(44)によるアーティストデュオ「Nerhol(ネルホル)」が埼玉県立近代美術館(さいたま市)で大規模展を開いている。しかも大半が新作。それだけでも驚きだが、展示も驚きの新展開を見せている。

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Nerholの田中義久さん(右)と飯田竜太さん

 2人は、動画や連続写真のコマ送り的な多数の画像を印刷し、その紙を重ねてカッターなどで彫り込むことで等高線的な凹凸のある地表のような表情を生み出す表現手法で知られている。異なる瞬間の画像が連なり、ゆがむ。案を練って彫るから、ネルホル。

 今回、カーブする大窓のある展示室では、鏡を割り刻んで起伏をつけた画面が登場している。正面に立てば、見る人の姿はゆがみ分割され、斜めから見れば、窓の外の緑が印象派風に分割して見える。万華鏡やホログラムのような効果ともいえる。

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鏡を使ったNerhol「representation」(2025年)の展示

 初期は人物写真を彫り込んで…

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