ねこのしっぽ社長の内田朋紀さん(左)と専務の荒巻喜光さん。川崎フロンターレの公認キャラクター「カワサキまるこ」をはさんで。荒巻さんはふだんから和服姿=2024年5月1日、川崎市中原区のねこのしっぽ、稲石俊章撮影
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 会社のウェブサイトには「同人ひとすじ!創業27周年」と掲げる。「DOUJIN SupportCompany」とも。

 印刷会社「ねこのしっぽ」社長の内田朋紀さん(57)と専務の荒巻喜光さん(57)は、20代半ばに出会った。インターネットでもSNSでもなく、「パソコン通信」の時代。

 互いに描いたイラストをアップして感想を伝え合い、一緒に漫画の同人誌もつくった。

 漫画イベントのチラシ作製を印刷会社約10社に頼んだところ、個人の注文は受け付けていないとすべて門前払いされ、「それならば」と2人で立ち上げた会社だ。

 印刷業を始めようと提案した内田さんは、勤め先の会社をやめる覚悟ができていた。出版物の校正の仕事をしていた荒巻さんは「何とかなるだろう」と誘いに乗ったという。1997年のことだ。

 社名の「ねこのしっぽ」は、内田さんが猫好きだったことと、だれもが気軽に立ち寄れるような場にしたいという思いから決めた。

コミケを回り「同人誌印刷します」

 当初は川崎市中原区のマンシ…

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