Smiley face
写真・図版
女子やり投げ決勝、1投目の投てきをする北口榛花=内田光撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 (18日、セイコーゴールデングランプリ陸上2025東京)

 5投目を前に、北口榛花(JAL)は観客に手拍子を求めた。「ここで、声援を受けたいと思って」

 一体となった会場のリズムに乗り、助走を開始。投げた瞬間、「来たな」という感覚があった。今季ベストの64メートル16で優勝し、「ちょっとほっとしました」。

  • 北口榛花、「まっすぐ投げる」ための修正点 言葉に込めた王者の風格

 今季初戦だった5月3日のダイヤモンドリーグは60メートル88で4位。「好き放題に(スピードを出して)走って」、助走が安定しなかった。自分の理想の投てきが、「虚像に見えていた」。

 この日は、試行錯誤していた助走に入る動作を、これまでのように足踏みでスタート。4投目までは最後のステップで速度が落ちたが、徐々にタイミングを合わせ、5投目でかみ合った。

 「ちゃんとした像が見え始めました」。そう手応えを得た一方、「めざしているのは60メートルとかではない」。今季世界6位の記録で納得できないのは、五輪王者のプライドだ。

 この日は、メインスタンドの客席はまばら。やり投げのピット周辺は埋め尽くされていた。東京で世界選手権がある今年、例年以上に高まっている。

 試合後すぐにチェコへと旅立ち、欧州を拠点に転戦する。世界選手権2連覇を狙うシーズンへ、はずみをつける勝利となった。

共有