マンガやアニメ作品の二次創作といったイメージが強いコミックマーケット(コミケ)に17日、がんに対する知識をまとめた小冊子を出展する女性がいる。がんを経験した20代のサバイバーだ。毎回数十万人が参加する、国内最大規模の同人誌即売会に参加することで「若い人だってがんになる。じぶんごととしてとらえてほしい」と発信する。
女性は、都内の銀行に勤める芝原薫さん(29)。27歳のときに悪性リンパ腫を経験し、治療が一段落したころから、がん教育の授業の講師やがん関連のイベントに参加するようになった。そのなかで気づいたのが、自分と同世代や年下の人たちの無関心や「他人ごと」感だ。資料を渡しても「親に渡しておきます」。「僕はがんにならないですから」と話す若者に「私は27歳でなったよ」と話すと驚かれたこともあった。
がん関連のイベントに足を運ぶのは、がん経験者やその家族などが多い。まったく関心のない層にも届けるにはどうしたらいいか。考えていたところ、姉の千晴(ちはる)さん(33)から「コミケに出展してみない?」と提案された。
千晴さんは学生時代からコミ…