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働く女性が長期休業せざるを得なくなる病気は、年代によって大きく変化し、男性とは異なることがわかってきた

 病気やけがで仕事を30日間以上休む「長期病気休業」は、20代女性では同年代の男性よりも2倍起きやすい――。そんな調査結果を専門家チームが発表した。うつ病や適応障害といった精神疾患が大きな要因で、若い女性労働者への健康施策が求められそうだ。

 関東や東海地方に本社を置く製造業など14企業、1自治体に勤務する約10万人を対象に、2012~21年度の10年間にあった長期病休の事例について、国立健康危機管理研究機構などのチームが分析した。産休や育休といった理由による休業は除いた。

大部分はうつ病、適応障害

 期間中に、男性で6518件、女性で1866件の長期病休が発生した。「参加者の1万人が1年間働いたときに(=1万人年(じんねん))、何件の長期病休が発生しているか」という形で発生率を計算すると、女性115.5、男性89.2で、全体として女性のほうが男性よりも長期病休の発生率が高いことがまずわかった。

 年代別にみると、同様の発生率は20代女性では176.6と、同世代の男性(83.8)の2.1倍にもなった。理由の大部分は、うつ病や適応障害といった精神疾患で、入社からあまり年月のたっていない女性が、職場でさまざまな要因によるストレスに見舞われていることがうかがえた。

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20代女性の長期病休の発生率は、同世代男性の約2倍にのぼる

 過去の複数の研究で、学生時…

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